オーバーユースは、「負荷」「負荷許容量」「負荷からの回復」のバランスでした。
では、オーバーユースだけ気を付けていればトラブルを避けられるのでしょうか。もう一つ大切なポイントにミスユースがあります。言葉自体は簡単なので「なるほどちゃんと身体を使えばいいのか!」と簡単に感じるのですが、実は自身のミスユースにはなかなか気付けないものです。スポーツ現場ではコーチやトレーナーが選手の動きを見て、正しいフォームや動きをしているか、本人に合っているか等を見極めなければなりません。当院のコンディショニングでは、姿勢や動き、バランスや痛みに対してヒアリングや徒手検査などを通して身体の状態を見極めていきます。そこでミスユースを疑えば、そのミスユースによって生じているであろう筋拘縮や筋スパズム(自分の意思とは関係なく局所的に筋肉の収縮が起こっている状態状態)や、関係する関節等に対して施術を行います。施術後半では施術中に筋拘縮等の消失または減少を確認していきます。しかしながら一旦は消える不調も、同じミスユースによって繰り返し陥いってしまいやすいものです。例えばくしゃみや洗面などでぎっくり腰を発症するなどは、ちょっとした動きの工夫や調整で予防出来たりします。またどこかの痛みを放っておくことで、その痛みをかばう別のところから始まる悪循環に陥ることも少なくありません。痛いところは早くとった方が良い理由の一つでもあります。
当院には大きな鏡があります。自身の動きを確認するためです。左右のバランス等、実際には自分が思っている通りに身体は動いていません。視覚と感覚とで答え合わせをしながら正い動きに導いていくことで、一つのミスユースによってトラブルに繋がることを予防していきたいものです。